賃貸物件詳細
先日貸していた賃貸マンションから住人が退去しました。
場所:割と大きなとある地方都市
築年数:十数年
間取り:3DK(洋室2和室1、狭いリビング)
家賃:6万円
住人構成:御夫婦と高校生のお子さんの家族3人
賃貸期間:4年
退去理由:会社を辞めて実家に戻るため
契約の形態:会社契約
退去当日マンションへ向かう
退去当日、立会の約束は午後2時でした。
午後1時30分ころ、現地へ向かっていると、先に到着した管理会社から電話が
「お客さん、引越しが早まったらしくてもう退去されました。」
なんとなくいやな予感。大家と会いたくない事情があるのかもしれません。
現地に到着し、部屋に向かいます。8階建ての7階の部屋です。4年ぶりに訪れ、なつかしさに浸りながら、部屋に入ります。管理会社のお姉さんがいました。
ボロボロの床に唖然とする
嫌な予感的中です。リビングに向かうと、まず目に入ってきたのは、床のすり跡です。レールのような線があちこちに入っています。これは重たい家具を引きずったのでしょうか。4年前はきれいな状態だったのでショックです!
すり跡だけでなく、表面が欠損している損傷が数箇所あります。フローリングの床を全部張替えると70万くらいかかります。それでは儲けになりませんので、張替えはやめて補修費を借主に請求します。
リビング以外の3部屋は、二部屋はフローリングで、もう一部屋は和室です。畳の状態はそんなに悪くないのですが、フローリングがリビングと同様、すり跡や損傷がみられます。
このすり跡は、引越しの最中できたのでしょうか?それとも住んでいる間についたのでしょうか。どうしてこんなにひどい状態にできるのか理解に苦しみます。
クロスの状態はまあまあ
数箇所の損傷
次にお姉さんに誘導されて、壁の説明を受けます。剥がれが数箇所、黄ばみがすこし見られます。国交省のガイドラインでは、損傷箇所の部分張替えのみ借主負担となるそうです。ただお姉さんから、次に貸すには、全面張替えの方がいいと言われました。その場合、部屋全体で30万くらいの張替え費がかかり、借主からは損傷部分の張替え費用数万円を請求することになるそうです。25万くらいこちらもちになりそうです。
クロス全面張替えが必須で、借主が負担する割合
上記の部分欠損とは違ったケースとして、たとえば住人のタバコのせいでクロス全面がくさかったり黄ばんでいたら、全面張替えとなります。クロスの耐久年数6年に応じた経過年数4年をあてはめ、定額法で借主負担率をだすと、3割(新品価格の)となります。
立つ鳥あとを濁す?
あと、掃除をほとんどしていませんでした。これはホームクリーニングをいれるので大した問題ではないのですが、モラルを疑います。黄ばんだ便器や毛だらけの洗面所を放置して、退去するのはどうなんだと。
なぜこんなに雑に扱えるのか
この物件は会社契約だったので、借主は会社です。すると住人だった社員は、自分たちに請求はこないので雑に扱っても関係ないと考えたのかもしれません。
しかし、住人とは会ったことはないですが、会社勤めでお子さんもいらっしゃる御夫婦がこういうことでいいのかと思ってしまうのでは私だけでしょうか。
もしかして最初から問題がありそうな住人だったら、こんなもんだろうと思ったかもしれません。
所謂、善良な市民の裏側を見たような感じがして悲しい気がするのです。
モラルについて思うこと
スポーツの国際大会のたびに、日本人観客は、ゴミを持ち帰りきれいにして世界から喝采を浴びたというニュースを目にします。
でも今回の賃貸物件の家族のような人にあたると、日本人そんなちゃんとした人ばかりじゃないと思ってしまいます。
これは、集団のどのくらいの人が他人のものをきれいに使うという意識を持っているのかの割合が重要だと思います。
たとえばAのグループは100人いて、モラルの高い人が70人いる。Bのグループはモラルの高い人が20人いる。この場合、Aのグループには30人はモラルが悪い人がいますが70人はモラルが高いので、全体としてモラルの高い集団としての現れ方をすると思います。Bのグループは、モラルの低い人が8割を占めているので、全体としては、モラルの低い表れ方をするでしょう。
今回の住人は、全体としてはモラルの高いAのグループだったが、モラルの低い30人に属していたと考えれば、そう腹も立たないというものです。
賃貸は意外ともうからない
住民への愚痴はさておき、今回のケースのように、次の賃貸開始までに30万以上かかる(クロス、床補修、ホームクリーニング)と、家賃の5ヶ月分以上が飛んでいきます。しかも次が決まるまでの空白期間があります。物件が多くあれば、運用の仕方で大きく儲けられます。でも私のように小規模で賃貸事業をしていると、本当に儲からないと痛感しました。